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千利休お手植え「沙羅双樹造香合」(さらそうじゅづくりこうごう)

川北 良造
重要無形文化財「木工芸」保持者

千利休お手植え「沙羅双樹造香合」(さらそうじゅづくりこうごう)

幅7.8㎝×奥6.2㎝×高4.4㎝

川北 良造

重要無形文化財「木工芸」保持者

  京都府京都市北区紫野、臨済宗大徳寺派の大本山・大徳寺の塔頭、聚光院。千利休が開祖・笑嶺宗訢(しょうれいそうきん)のもとに参禅したことから千利休の墓をはじめ、三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)歴代の墓所があります。寺には利休が作庭したと伝わる「百積の庭」(名勝)に利休お手植えの沙羅双樹3世が現在もにぎわいを見せている。寛海和尚(前住職)が昭和23年頃、利休お手植えの沙羅双樹が天寿を全うし大切に保管され、この木を茶道具に活かしたいとのお声に各種道具の制作をする運びとなった。主幹部、枝はほぼ空洞であったが其山が大きな景色と感じ余すことなく木取する。主幹は水指に最適を思い枝材は花入れ、蓋置、棗、薄器、茶杓、香合に完成でき得た事に多大なる感謝の気持ちであります。

  • 1934年 石川県生まれ
  • 1964年 日本工芸会正会員認定
  • 1988年 千利休手植えの沙羅双樹を以て、茶道具を制作(京都大徳寺聚光院温存)
  • 1990年 伊勢神宮式年遷宮 御神宝鏡筥制作
  • 1993年 兼六園欅木目沈金食籠 石川県より皇太子殿下に献上
  • 1994年 重要無形文化財保持者(人間国宝)認定
  • 1997年 「木の命よみがえる・川北良造の木工芸」文部省特別選定映画完成
  • 1999年 紫綬褒章拝受
  • 2004年 「木と生きる 木を生かす」出版
        旭日中綬章拝受
  • 2009年 本願寺御影堂古材にて記念品制作
  • 2015年 全国植樹祭(石川県小松市)にて石川県より欅造華文嵌装盆を 天皇陛下に献上
    北陸新幹線開業金沢駅構内パネル制作
  • 2017年 護衛艦「加賀」欅造輪花貴石象嵌盛器 寄贈
  • 2020年 金沢港クルーズターミナル「欅造波頭文パネル」制作
  • 2022年 新石川県立図書館パネル制作
  • 日本工芸会参与
  • 石川県美術文化協会 副会長
  • 輪島漆芸技術研修所 主任講師
  • 金沢美術工芸大学 名誉客員教授
  • 石川県立轆轤挽物技術研修所所長

志野茶碗(しのちゃわん)

幅13.5㎝×奥13.3㎝×高8.4㎝

鈴木 藏

重要無形文化財「志野」保持者

志野茶碗(しのちゃわん)

幅13.5㎝×奥13.3㎝×高8.4㎝

鈴木 藏

重要無形文化財「志野」保持者

日本には、独特な類を見ない陶芸がある。桃山・江戸初期に多治見に隣接した可児、土岐などで志野、織部が焼かれている。創作であってイノベーションでもあるデフォルメされた茶陶から食器から多くのものが実際に使って楽しんだものであるが、なにか核になるものは何なのかを考えた時に、文化の核心になるものは何だろうと想った時に、芭蕉と世阿弥にあるのではないかと。「奥の細道」、「笈の小文」があり、「風姿花伝」、「花鏡」など素晴らしいことが書かれている。芭蕉は、自分自身も入るのであろうが、500年余りの間に西行、宗祇、雪舟、利休の5人を上げ「その貫通するものは一つなり、しかも風雅におけるもの造化にしたがひて四時を友とす」と言っている。司馬遼太郎とドナルド・キーンとの対談の中で日本人の文化人を上げると誰かとなったら、キーン先生は空海、一休、芭蕉を上げている。 それと世阿弥は夢幻能とか、禅宗を学んでいることを上げて、自由ということ、一切の拘りを持たないことについて、金剛般若経にある『「応無所住而生基心」まさに住する所無くして、その心を生ずべし』、何ものにも執着せずどこにもとどまらないそのような自由な境地に立ったこころを起こせとある。最近に出版された藤田正勝先生の「日本の文化を読む」(岩波書店)の中にも書かれていて感慨無量であった。 「伝統」を考えた時に、歴史の中から当時のことを教えられ、そこから如何に自分自身の世界をつくり上げ、次の世代に如何に渡せるかである。 自分の作った作品について書いて下さいとありましたが、私自身の念いは大筋としてはここにあります。

  • 1934年 岐阜県土岐市駄知町生まれ
  • 1954年 朝日新聞主催第8回現代陶芸展に初出品 佳作
       第6回日本伝統工芸展 初入選
  • 1961年 第10回現代日本陶芸展 第1席 第8回日本伝統工芸展 NHK会長賞
  • 1962年 チェコ国際陶芸展 グランプリ
  • 1967年 第14回日本伝統工芸展 日本工芸会会長賞
  • 1969年 日本陶磁協会賞
  • 1982年 日本陶磁協会賞 金賞
  • 1987年 芸術選奨文部大臣賞
  • 1992年 藤原啓記念賞
  • 1994年 重要無形文化財「志野」保持者に認定
  • 1995年 紫綬褒章受章
  • 2006年 旭日中綬章受章
  • 日本工芸会参与

木版摺更紗小袱紗「菱浮葉」(ひしうきは)

15㎝×16㎝

鈴田 滋人

重要無形文化財「木版摺更紗」保持者

木版摺更紗小袱紗「菱浮葉」(ひしうきは)

15㎝×16㎝

鈴田 滋人

重要無形文化財「木版摺更紗」保持者

 菱は家紋に象徴される縁起のよい柄として多くの場面で目にするが、その始まりは水草の菱と言われている。初夏に近くの池で群生する菱の葉に魅せられスケッチを行い、木版摺更紗で表現することを意識する。

 木版摺更紗は、江戸時代佐賀鍋島藩の保護のもと一子相伝で受け継がれた鍋島更紗が大正の初めに途絶えるも、残された秘伝書や見本帖などの資料に父・照次が出会いそれを調査研究し復元することにより得られた技法で、木版と型紙の併用を特徴とする。

 小袱紗という様式の中で水面の透明感を薄物の紬地に求め、デザイン化した菱の葉を配しその情景を思い描く。

  • 1954年 佐賀県鹿島市に生まれる
  • 1979年 武蔵野美術大学日本画学科卒業
  • 1981年 家業である染色の仕事を継ぐ
  • 1985年 日本工芸会正会員に認定
  • 1998年 第11回MOA岡田茂吉賞優秀賞受賞 第45回日本伝統工芸展でNHK会長賞受賞
  • 1999年 「日本の工芸〔今〕100選展」(パリ)に出品
  • 2003年 第23回伝統文化ポーラ賞優秀賞受賞
  • 2007年 大英博物館開催「わざの美—日本の工芸50年記念展」に出品
  • 2008年 重要無形文化財「木版摺更紗」保持者に認定
  • 2020年 東京国立博物館開催「きもの」特別展に出品
  • 日本工芸会参与

根曲竹「野草籃」(やそうかご)

幅26㎝×奥17㎝×高28㎝

藤沼 昇

重要無形文化財「竹工芸」保持者

根曲竹「野草籃」(やそうかご)

幅26㎝×奥17㎝×高28㎝

藤沼 昇

重要無形文化財「竹工芸」保持者

この作品に使用している根曲竹は、標高1000m程の斜面に生えています。 日本にある笹竹の中でも、とても力強いので、その素材の持つ存在感をありのままに表現し、自然感を大切に制作いたしました。

  • (日本工芸会 正会員)
  • 1945年 栃木県大田原市生まれ
  • 1975年 竹工芸を始める
  • 1986年 日本工芸会会長賞受賞
  • 1992年 東京都知事賞受賞
  • 2004年 紫綬褒章受章
  • 2011年 シカゴ美術館にて個展(米国)
  • 2012年 重要無形文化財「竹工芸」保持者に認定
  • 2015年 旭日小綬章受章
  • 日本工芸会参与
  • [作品所蔵]
    東京国立近代美術館 / 工芸館 MOA美術館(熱海市)/ シカゴ美術館(米国)/ デンバー美術館(米国)/
    大英博物館(英国)/ メトロポリタン美術館(米国) / ボストン美術館(米国)

蒔絵螺鈿雪吹「秋陽」
(しゅうよう)

径6.8㎝×高7.0㎝

室瀬 和美

重要無形文化財「蒔絵」保持者

蒔絵螺鈿雪吹「秋陽」(しゅうよう)

径6.8㎝×高7.0㎝

室瀬 和美

重要無形文化財「蒔絵」保持者

自然の植物や動物の観察を通して独自のデザインを作り、古典研究を通してその精神を創作に活かし、さらに自然の眼にみえない姿を形にしていくことを生涯の課題としている。レッドオークの葉を地模様に、蓋表の中央部分にリスを配する。レッドオークの葉は粗い鑢粉と丸粉を同時に蒔き、リスの周辺には平目粉を蒔き暈かす。葉は純金と純度95%の青金色をそれぞれ蒔き分け、色調にも変化をつけている。リスは1mm厚に削った夜光貝の中から光・色調の最も良い部分を選び、糸のこで形に切り抜き、彫込螺鈿で表す。さらに付描等でリスの表情をつくっている。夜光厚貝螺鈿と鑢粉を交えた蒔絵表現は、近年追求している技法表現の中での代表的なものである。

  • 1950年 東京都生まれ
  • 1976年 東京藝術大学大学院美術研究科 漆芸専攻修了 修了制作大学買上げ
  • 1985年 第2回日本伝統漆芸展 日本工芸会賞受賞
        第32回日本伝統工芸展 日本工芸会奨励賞受賞
  • 1996年 国宝「梅蒔絵手箱」(三嶋大社蔵) 復元模造制作(~1998)
  • 2000年 第47回日本伝統工芸展 東京都知事賞受賞
  • 2002年 第49回日本伝統工芸展 日本工芸会奨励賞受賞
  • 2006年 日本文化藝術振興賞受賞
  • 2008年 重要無形文化財「蒔絵」保持者に認定
        紫綬褒章受章
  • 2019年 MOA美術館特集陳列「人間国宝 室瀬和美の世界」
  • 2021年 旭日小綬章受章

  • 個展9回 池袋西武・高輪会・日本橋三越・銀座和光など
  • 日本工芸会副理事長
  • [作品所蔵]
    文化庁/東京藝術大学/国立工芸館/MOA美術館/メトロポリタン美術館/ V&A博物館/大英博物館他